弊社が入っているビルは、地下鉄の早稲田駅前から延びる夏目坂通りという坂道に面しています。坂の下の吉野家の前には「夏目漱石誕生之地」の碑があります。
なんでも、漱石の父親が自分の姓に因んでこの坂に名をつけたのだそうです。漱石の『硝子戸(ガラスど)の中(うち)』(大正四年に新聞に連載)という作品に次の一節があります。
父はまだその上に自宅の前から南へ行く時に是非とも登らなければならない長い坂に、自分の姓の夏目という名を付けた。(岩波文庫版 p.67)
私も毎朝この坂道を上って通勤していますが、文豪ゆかりの地に会社があるというのは、ちょっと嬉しい気がしますね。
『硝子戸の中』には漱石が生きた時代の弊社の近辺の様子がいろいろと書かれています。これから何回かに分けて紹介していきましょう。
(Koala)